住まいづくり 2023-11

【高気密高断熱住宅で大事なこと】~断熱材の選び方~

新しい家を建築する際、高気密高断熱住宅はエネルギー効率を最大化し、快適な居住環境を提供するための優れた選択肢です。そして何より、高気密高断熱住宅を実現する鍵の一つは、適切な断熱材の選択です。このコラムでは、断熱材を選ぶ際に考慮すべき重要な要因について説明します。

 

断熱材の良し悪しは家の寿命に直結する。

日本の住宅はアメリカやイギリスと比較して、平均寿命が短い統計(※)が出ています。この理由の一つとしてあげられるのが「日本の家は腐りやすいから」です。その腐食の引き金となるのが「結露」です。冬場の窓にお馴染みの結露ですが、断熱性能が低い家は窓だけではなく見えない部分にも結露が発生しており、カビや木材を腐らせる菌が繁殖し年月をかけて家の腐食が進んでいくのです。

高気密高断熱住宅の目的は、外部からの気温変化や湿気を制御し、室内の快適さを確保することです。選択した断熱材の断熱性能は、この目標を実現するために非常に重要です。

※出典:住宅・土地統計調査(1998年、2003年)

 

湿気制御

湿気は高気密高断熱住宅での重要な考慮事項です。湿気が断熱材に侵入すると、性能が低下する可能性があります。選択した断熱材は湿気に対してどれだけ耐性があるかを確認し、適切な湿度制御を提供できるかどうかを確認しましょう。また、国内でも降水量が多く多湿エリアとされる石川県。湿気を制御することは洗濯物が乾きやすくなるメリットもあります。

 

 

断熱性の耐用年数と劣化原因

断熱材の耐久性も考慮すべき要因です。断熱材は素材により耐久性が異なりますが、経年劣化により30~40年ほどで性能低下が見られます。断熱材の劣化原因は主に湿気によるカビです、選んだ材料が劣化しにくく、長期にわたって性能を維持できることが重要です。また、虫や火災に対する耐性も確認しましょう。

 

安心できる施工品質か

いくら高価な断熱材を使用しても施工品質がそれに伴わなければ意味がありません。何故かというと断熱材の施工方法の誤りが家づくりのよくあるトラブルとしてあげられます。例えば現在、最も断熱材としてポピュラーなガラスを繊維状に加工した断熱材は、湿気に弱い特徴があるにも関わらず防水シートにくるまれていない等の施工で断熱材の性能が発揮せずトラブルの発生につながります。一度施工してしまうと、壁の中は確認ができません。実績があり安心して工事を任せられる住宅メーカー選びが重要です。

 

費用と長期的なランニングコスト

初期コストと将来かかってくる光熱費との差額バランスも考慮すべきです。高性能な断熱材は通常初期投資が高くつくかもしれませんが、エネルギーコストの削減や快適な居住環境による長期的なランニングコストを考慮すると、その価値は高まります。住宅を建てる際には断熱材選びは慎重に計画し、より良い住まいを実現してください。それでは、次回のコラムもお楽しみに!

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